中野区シティプロモーションは「中野の多様性」をプロモーションしようとしていたらしい(2020年6月)

概要

東京都中野区は、3年間の予定だった中野区シティプロモーションを実質2年でほぼ終了し、総括と今後の予定を区議会に報告した。その報告を読んで驚愕した。中野区シティプロモーションがプロモーションしようとしていたのは、「中野の多様性」だったらしい。2020/6/17記

 

本文

中野区シティプロモーションは " シビックプライドを醸成する " として始まった2018年度に約3300万円の予算が使われた。2019年は予算約7800万円。いずれも大部分が大手広告会社博報堂への委託費だった。
3年目の2020年度は博報堂への委託をやめ、当初約1700万円の予算が組まれたが、その後、新型コロナウイルス感染拡大による財政逼迫を理由に削減され、残り約300万円となった。3年間の予定で始めた中野区シティプロモーションは、2年で実質ほぼ終了した格好である。

 

2020年6月、中野区は区議会総務委員会に2年間の中野区シティプロモーションの総括と、今後の予定を報告した。
区議会ホームページに掲載された報告の、次の一文を読んで私は驚愕した。

 

課題(評価)

中野の本質的な魅力=多様性ということが理解されづらい。

 

え?

中野区シティプロモーションって、「中野の多様性」をプロモーションしようとしていたの? 私は2018年の中野区シティプロモーション開始時からずっと批判的に見ていたが、そんな素晴らしい目的があったとは最後まで気づかなかった。
そんな素晴らしいプロモーションをしようとしていたのに、なぜこんな風になったのか。

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2019/11/8中野区内で撮影

生気がなく色彩に乏しいキャラクター人形と、「好きなように生きていれば、たいがいのことは気にならない。」という不愉快な自己責任論的コピーから、明るくダイナミックで多様性豊かな中野、という理想を、いったいどのように感じ取れば良かったのだろうか。

中野区シティプロモーションは、自治体イメージのマーケティングを意図していたわけだが、1億円の税金と区職員の労力という貴重な人的金銭的リソースを費やして、どうしてこんなことになったのか。
1億円の予算があったのだから、正面から中野の多様性を訴え促進する様々なキャンペーンやイベントができたはずだ。もったいない。
中野区議会で中野の多様性に反対しているのは吉田康一郎だけだから、区議会が障害になって正面から多様性をキャンペーンできなかったってわけでもないと思う。

 

区議会への今回の報告にもある通り、中野区シティプロモーションの目的は次のようであると繰り返し説明されてきた。

1 区民の区に対する愛着や誇りと区内外の人々の中野区の推奨気運の醸成 
2 新しい中野への期待感の向上等による定住人口・昼間人口の増加 
3 以上によるまちの活力の向上

で、中野区の何をプロモーションしたいのって点は、プロジェクト全般を通じて結局何だかよく分からなかった。

 

繰り返すが、本当にお金がもったいない。

 

つづきの記事

 

(中野非公式通信)

 

 

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