旧中野刑務所正門、中野区が保存に向けようやく一歩。かな? (2020年1月最新の動き)

概要

 「旧中野刑務所正門」に関し、中野区教委が文化財的価値や保存について審議会に諮問、それとは別に門がGoogleマップに表示されるようになる、などの新たな動きがあった。2020/1/20記

 

旧中野刑務所正門、文化財保護審議会に諮問

 中野区教育委員会は2020年1月10日の定例会で、大正時代のレンガ建築「旧中野刑務所正門」(東京都中野区新井三丁目)の文化財的価値、保存、公開について区文化財保護審議会に諮問することを決めた。

 諮問を決定した区教委の議案⬇️
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/651500/d028220_d/fil/20200110g1.pdf

 2019年2月に中野区が「現地保存」方針を公表した際の予定に沿った動きではある。

2019年2月 旧中野刑務所正門「現地保存」方針公表
2019年度 学術調査委託/区文化財指定
2020年度 設計委託
2021年度 都文化財指定/保存活用計画策定
2022年度 耐震工事
2023年度 公開開始(平和の森小移転と同時)

 しかし区文化財指定は都文化財指定申請の前提となるため、今回の決定は門の保存に向け、区がようやく一歩前進した動きとみていいのではないだろうか。

 中野区文化財保護審議会の委員はこの6人の専門家⬇️。

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門の移設も検討中

 酒井区長は2019年2月に門を現地保存し都文化財指定を目指すと一旦発表しておきながら、区はその後移設の検討を始めた。区は11月、検討の元となる「旧中野刑務所正門学術調査報告書」の概要(4ページ)を区議会に報告した。報告書は、門を西へ100メートル移設(曳家)する案について、技術的に可能だが、5年の期間と5億円の費用がかかるとする内容。

 門の立地する国有地は隣接する平和の森小学校の移転予定地。門の移設検討は学校敷地を広く取るためだが、移設の場合、曳家が5年かけて完了するまで新校舎は建設できない。新校舎への移転が既に遅れている平和の森小は、児童が区の想定より多くなり、仮校舎建設や仮校庭を借りるなどして応急対応している。このため早急な新校舎建設と移転が喫緊の課題とされる。

 5億円はともかく、門の移設に5年もかかるのでは、小学校の移転がさらに遅れるから事実上曳家は実現性がないのではないだろうか。しかも検討される移設先(100メートル西)も小学校移設予定地内なので、学校が広くなるわけでもない。また、都文化財指定を目指すのであれば、移設保存より現地保存の方が可能性が高いとみられている。 


 門の保存運動に取り組んでいる「平和の門を考える会」は、区への情報公開請求により「報告書」全文(約200ページ)を入手した。専門家による解説会を予定するなど検証を進めている。

 同会が公開した報告書全文はリンク先⬇️。

 羽鳥だいすけ中野区議(共産)も報告書全文をブログで公開している⬇️。

 なお、この「学術調査」は2019年5月28日、指名競争入札で建文(中野区中央)が312万7800円で落札した。

  

門がGoogleマップに表示されるように

 また、それとは別に、このほどGoogleマップに旧中野刑務所正門が表示されるようになった。"Historical landmark" (歴史的建造物) との説明付きである。それにより門を見にくるツーリストなどが場所を探しやすくなった。これも朗報といえる。

 

 


この件まとめ⬇️

 

旧中野刑務所正門の非公式記事やまとめはこちら⬇️

 

( r )

 

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旧中野刑務所正門(2019年9月19日撮影)