環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)工事現場見学会に参加しました (2023年2月)

2023/2/22の環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)工事現場見学会の抽選に当たったので参加しました。2/23記 (写真は全て2/22撮影)

工事概要

環状七号線地下広域調節池とは

見学会で配布されたパンフレットによると、東京都が進めている、地下に大きなトンネルを掘って、台風や集中豪雨の時そこに水を貯めて洪水を防ぐ工事のひとつです。なお、IKEカード 注1)、アンケート、返信用封筒、緑色のクリアファイルも一緒にもらいました。

それによると、これまで神田川石神井川、白子川流域で、「神田川・環状七号線地下調節池」(延長4.5キロ、貯留量54万㎥)と「白子川地下調節池」(3.2キロ、21万㎥)がつくられ、現在そのふたつを連結する地下調節池(5.4キロ、68万㎥)を掘っています。全体として「環状七号線地下広域調節池」(合計13.1キロ、140万㎥超)となります。

1)『IKEカード』誕生 - ダム便覧

環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)とは

今回、工事現場見学会が開かれた「環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)」は、この5.4キロの連結区間です。中野区野方5丁目から練馬区高松3丁目まで、環七や目白通りの地下をシールド工法 注2)で掘ります。

東京都第三建設事務所が発注し、大成・鹿島・大林・京急建設共同企業体が受注して2017年3月着工、2025年12月完成予定。

工事の起点は、「神田川・環状七号線地下調節池」側の野方5丁目にある発進立坑(妙正寺川取水施設)です。西武新宿線野方駅より少し南の環七から、独特な形をした立坑上部の構造物を見ることができます。

2) シールド工法 | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス

見学会レポ

見学会の参加者は1回につき募集20人。1月は電話受付で先着順でしたが、応募者多数のため2月はウェブ受付で抽選が行われました。

工事の説明

参加者はまず、この発進立坑そばのインフォメーションセンターに集合し、プロジェクトについての説明を聞きました。

説明者の左側に写っている緑色の円は、トンネルを掘るシールドマシンの1/24模型です。下はそれを横から見たところ。スイッチを押すと回ります。

見学会は、発進立坑の中を地下50mまで降り、地下調節池のトンネルの中を少し歩いてから戻ってくるという内容です。

説明によると、発進立坑から掘り始めたシールドマシンは、この時点で環七の地下を野方駅の先までの約270mを掘り進んだところです。見学会ではそこまで行かず、したがってシールドマシンが掘り進んでいる現場は見学に含まれません。

工事や工法の詳細は、公式のホームページ👇で見ることができます。

環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)工事

発進立坑を地下30mまで降りる

見学会参加者は説明のあとインフォメーションセンターを出て、すぐ隣の発進立坑がある工事エリアに入りました。

発進立坑を、工事用エレベーターに乗って地下30mまで降下しました。

下はその様子を映した動画です。

地下30mから発進立坑を上に見上げたところ👇。立坑の中心に、セグメントと呼ばれる部品などトンネル建設資材を下ろすための、鉄骨で組まれたリフトがあります。

円筒形の側面にコンクリートの角張った大きな出っ張り👇があります(画面中央)。この中には、シールドマシンが発進したのとは逆向きの、南に接続する既存の調節池トンネルに妙正寺川の水を落とすための立坑が入っています 注3)

既存の調節池トンネルと、工事中、計画中の調節池トンネルは、将来はひとつの地下河川となるように設計されており、水が自然流下するよう、ゆるい傾斜が海に向かってついているのだそうです。

3) 環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)工事 発進立坑(妙正寺川立坑) – ラジエイト

地下50mの立坑の底に降りる

地下30mから発進立坑の底を見たところ👇。これより下はエレベーターがないので、立坑の底まで20m、この階段を降りていきます。写真中央右に丸く口をあけているのが地下調節池トンネルの入口です。

立坑の底、リフトの1番下の部分👇です。右がトンネル入口。

地下調節池のトンネルに入る

立坑の底に降りたところから見た地下調節池のトンネル入口です。

地下調節池のトンネルの中に入りました。

セグメントなどの資材を運ぶために軌道が敷かれています。大雨の時はこの巨大な地下トンネルに水を貯めて地上の洪水を防ぎます。

見学はここまで👇です。シールドマシンが掘り進んでいるのはこのトンネルの先ですね。

引き返して、トンネル入口の立坑のところ👇に戻ってきました。写真左の壁面にシールドマシン発進式典の寄せ書きがあるのに気がつきました。

質疑応答、解散

トンネルを出ると、トンネル入口前に集まりました。リフトの搬器が1番下まで降りているのがわかります。

担当者が見学会参加者の質問に答えました。

トンネル入口前は地下50mの立坑の底です。その場所から上を見たところ👇。水色のパイプは掘削作業に使う泥を地上からシールドマシンに運ぶ送泥管、オレンジ色のパイプはその泥と掘った泥をシールドマシンから地上に送る排泥管、太いシルバーの管はダクト。

上の写真にも写っている、この四角いのは何かと環七を通りかかるたび思ってましたが、立坑のリフトの塔屋ですね。発進立坑の作業がおわったあとリフトは2025年に撤去されますが、もしかしたらそのあと何か建屋的なもので覆われるのかもしれませんね。

帰りはまた階段を20m登り、工事用エレベーターで30m上がって地上に出て解散となりました。最初の説明を入れて見学時間約1時間15分。

どうもありがとうございました!

参考: 和田弥生幹線の見学記

2019年に杉並区の和田弥生幹線を見学したレポを下に貼ります。よろしかったらご参照ください。

いずれも洪水防止のため大雨のとき水を貯める東京都の巨大な地下トンネルですが、和田弥生幹線は都下水道局、建設中の環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)は都建設局の施設という違いがあります。

(中野非公式通信) & (く)