2024年に東京・中野区役所が新庁舎に移転した際、旧庁舎にあった資料数百件を中野区立図書館に寄託/寄贈した。所在が分からなかった中野駅『駅史』のほか、昔の地図や区内各団体発行の冊子などが含まれる。情報公開請求でリストが開示された。2025/4/3記
中野駅『駅史』の発見
2025年3月、所在不明だった中野駅『駅史』が、中野区立中央図書館(東京都中野区中野2)の地域資料コーナーに所蔵されていることを知った。それが中野区役所移転にあたり、旧庁舎から図書館に運ばれた多数の資料のひとつだったことを、下記ブログ👇に書いた。
中野区役所は2024年5月に移転(住所は新旧庁舎とも中野区中野4)。新庁舎については下記ブログ👇参照。
これだから指定管理者は
私たちは図書館に移された資料の内訳を知りたく思い、中野区立図書館レファレンスサービスに照会した。ところが次のようにメールで断られた。
中野区役所の新庁舎移転に伴い、図書館には様々な部署から数年に渡って多数の資料をいただきました。
『駅史』のように受入済みの資料も多数ありますが、処理が未決定の資料も相当数あり、歴史民俗資料館等にこれから移動する予定の資料もあります。
通常いただく寄贈と同じように都度作業しており、リストは作成しておりません。
これだから指定管理者は……。行政(中野区)から出せと言われなけりゃ情報公開しなくていいと思っているふしがある注1。
していかんりしゃせいど【指定管理者制度】
地方公共団体が設置した公共施設を、民間企業や団体を指定して管理・運営を委託する制度。利用者の利便性の向上、地方公共団体の負担の削減などを目的として導入された。
大辞林 第三版
情報公開請求
私たちは中野区教育委員会に次の文言で情報公開請求した。
請求情報の内容
中野区立図書館が、中野区役所の新庁舎移転に伴い、中野区の様々な部署から収受した、又は、正式にであるかないかを問わず物理的に運び込まれた資料の一覧。これには、蔵書として登録された又はされる予定のもの、歴史民俗資料館等へ移動したまたはする予定のもの、未処理あるいは廃棄済みでその存在だけが認識されている資料を含む。ただし、処理が全くされておらず存在が認識されていないものを除く。
付記
1. もしも一覧を作成していないという場合には、中野区区政情報の公開に関する条例3条2項に従い、一覧を作成する等の方法により当該情報を提供するようお願いします。仮に新庁舎移転に伴ったか伴なわなかったかの判断が難しいという場合には、合理的な一定の期間を区切る等してその期間内であったものだけについて、開示してもよいです。
2. 中野区立図書館については、中野区と指定管理者との間で、区の情報公開条例に準じて情報公開がなされる趣旨の協定・水準書等があると承知しています。実際、過去には、従事者数、司書資格保有者数等に関する情報公開について、中央図書館長に直接うかがった際には「自分たちでも数を把握していないから開示できない」と拒絶されたにもかかわらず、中野区教育委員会のほうからは問題なく開示して頂けたことがありました。今回もよろしくお願いします。
3. 光ディスクでの開示を希望します。Excelファイルで構いません。区役所に受領に伺い、広報のレジで支払いますので、振込票の同封には及びません。
旧庁舎から図書館に移された資料リスト
2025年4月2日、中野区教育委員会事務局子ども・教育政策課図書館運用支援係から資料リスト「区役所移転に伴う寄託・寄贈図書一覧(R5.4〜R6.5)」がCDで開示された。期間を区切ってその期間内について公開してもらうのでもいいと伝えた結果、2023年4月から2024年5月までの寄託・寄贈図書が明らかにされた。そのリストを下記にGoogleスプレッドシートで公開する。
寄託図書
表上部のタブで「寄託図書一覧」を選択すると寄託図書462冊のリストが見られる。内容は、各部で保管していた古い記録や参考資料などを図書館にあずけた感じだ。
資料の場所は図書館に移っているが、寄託ということで資料の所属は元の各部署のままである。したがって、中野区の担当者によると、もしこれらの資料を見たい場合は元の各部署に問い合わせてほしい、ということだった。
寄贈図書
寄贈図書333冊は表上部のタブで「寄贈図書一覧」を選択。こちらのリストは資料それぞれについて廃棄/受入/移管の別が記されている。
受入とカテゴライズされた資料は一般書が多く、区内学校や区内団体の冊子もあり、中野駅『駅史』もここに入る。「受入」資料は、中野区立図書館オンライン蔵書目録(OPAC)をみると、駅史と同様すでに地域資料コーナーを中心に配架されている。中には中野区立図書館「でじなか ちいきの写真と図書のアーカイブ 」で公開されたものもある注2。
残りの「移管」資料には、大正や昭和前期の資料や昔の地図が含まれる。古い地図は貴重な資料である可能性があり、整理されて公開される日が待たれる。

注1 区教委への情報公開請求の文の中にも書いたが、中野区立図書館の人員配置を指定管理者は公開しなかったが中野区教育委員会に情報公開請求したら出してきたことがあった(参考)
注2 画像の中にある貴重書、中野町第一土地区画整理組合 編(1938)『整地誌』は、2025年4月3日に図書館カウンターできいたところ「最近」でじなかで公開された
https://archive.nakano-library.jp/item/801805885
(中野非公式通信) & (く)