中野区平和資料展示室
中野区立平和の森公園内の中野区立総合体育館(a.k.a. キリンレモンスポーツセンター)1階。東京都中野区新井三丁目37。開室6:45-22:30。第2月曜(休日のときはその翌日)と12/29-1/3休み。入場無料。
概要
2020年11月6日、中野区平和資料展示室が4年半ぶりに開設された。空襲や学童疎開、戦時中の生活、原爆の資料に加え、新しく旧中野刑務所正門に言及されたパネルなども展示された。約200冊の平和関連書籍の中には、こうの史代さんの漫画『この世界の片隅に』も。2020/11/7記
展示室
広さ約60㎡。中野区が作成した平面図。↓
展示
写真はいずれも11月6日撮影
入口付近
1 中野の空襲
2 人々のくらし
3 中野の学童疎開
4 広島・長崎への原爆投下
ガラスケースの中に、佐々木禎子さんが折ったとされる折り鶴を置くスペースがあけてある。折り鶴の展示は11月23日からだそうだ。
「平和のつどい」にて、広島で被爆した佐々木禎子さんが折った「サダコの折り鶴」が貸与されました。23日からキリンレモンスポーツセンターの平和資料展示室でご覧になれます。平和について考えるきっかけに、ぜひお越しください。https://t.co/vsYLa4tH6o#中野区 #平和のつどい #サダコの折り鶴 pic.twitter.com/saxM9APzf3
— 東京都中野区(広報係) (@tokyo_nakano) November 22, 2020
映像展示エリア
5 中野区の平和への取組
中野区が所蔵する約200冊の平和関連書籍。こうの史代『この世界の片隅に』と川崎哲(核兵器廃絶国際キャンペーン=ICAN=国際運営委員)『核兵器はなくせる』がおすすめされている。
参考: 平和の森公園の被曝樹
平和の森公園には被曝樹が3本ある。うち1本はこうの史代さんの仲介によるポプラだ。
平和の森公園(中野区)にある、広島と長崎から寄贈された、被爆した木の苗木が大きく育ったポプラ(樹々の中の黄葉している背の高い木)、アオギリ、クスノキ(2018/11/20撮影) pic.twitter.com/hNCSukIhJa
— 中野非公式通信 (@nakanocitizens) November 25, 2018
(承前④)この「ポプラ」は広島原爆と併せて新井薬師前周辺も舞台である「夕凪の街 桜の国」や、映画「この世界の片隅に」の原作者、こうの史代さんの仲介で、平和の森公園に迎えられた木です。経緯はこちら「ポプラの木のゆい」を参照下さい。(⑤へ)https://t.co/fkh1uPyWux#中野区 #平和の森公園
— toshiro kzc (@kzc_tommy) December 29, 2018
中野刑務所のパネル
保存問題で揺れる旧中野刑務所正門に言及されたパネル「中野のまちと刑務所」。平和の森公園は、戦前・戦中の治安維持法下に政治犯や思想犯を多く収監した中野刑務所の跡地につくられた。2020年1月に中野区が行った平和資料展示室に関する意見募集で、中野刑務所に関する展示の要望が複数あった。
各国語のフライヤー
フリーエリア
椅子と机があり座って資料を読める。手前の水色の下手な折り鶴は私が折った。
中野区平和資料展示室がキリンレモンスポーツセンター1階にオープン!中野の空襲や平和への取組などのパネルや区民の方から寄贈を受けた実物資料を展示しています。今年は戦後75年の節目の年です。ぜひお越しください。詳しくは、https://t.co/JSt036UlVY#中野区 #nakano pic.twitter.com/DcCDdVCgZN
— 東京都中野区(広報係) (@tokyo_nakano) November 6, 2020
平和資料展示室が体育館の中にある理由
中野区平和資料展示室は平和の森公園内に1989年につくられたが、平和の森公園の工事に先立ち2016年3月に閉鎖され2018年の工事で解体された。資料は中野区役所に運ばれ、4階で展示された。地元の反対を押し切って平和の森公園内に中野体育館が2020年に移転され、公園管理事務所までが体育館の中に置かれ、平和資料展示室も体育館内につくられた。下記まとめ参照。
区役所4階の展示もまだあった→撤去
中野区役所4階の平和資料展示コーナーも11月6日現在まだあった。
(この時、担当職員が「そのうち平和資料展示室に移す」と言っていた。11/9に見たらここの壁の展示物は撤去されていた)
区議会での興味あるやり取り
2020年9月1日、中野区は区議会総務委員会で平和資料展示室開設の予定を報告した。資料。↓
https://kugikai-nakano.jp/shiryou/209884925.pdf
議事録↓は11月4日公開。少しばかり面白いやり取りがあったので紹介する。
キリンレモン展示室?
中野区立総合体育館は「贅沢な名前だねえ」ってことで年500万円のネーミングライツで「キリンレモンスポーツセンター」という名前にされ、竣工式直前に施設名看板も掛け替えられた。
この件に関連し、公明党の小林ぜんいち議員が、平和資料展示室も「キリンレモン平和展示室となるんですか」と愉快な質問をしていた。そんなわけあるかーい!
体育館ネーミングライツまとめ。↓
社会科見学
また、自民党の大内しんご議員は、過去の言動からして体育館の中には平和資料展示室よりスポーツ資料展示室か五輪資料展示室を作れとか主張するかと思ったが、そんなことはなく、小学校の社会科見学で平和資料展示室を訪れるよう要望したので驚いた。どうしたんですか。
大内委員
それで、歴史民俗資料館というのは多分小学校の社会科見学か何かで回るようになるでしょう。この平和資料展示室というのはなっていないの。藤永総務部ユニバーサルデザイン推進担当課長
教育とのかかわりにつきましては、従前の平和の森公園にあった資料室につきましてもそれほど社会科見学等々に関わっていたというところは実際のところはあまり聞いてございません。ただ、この新しい資料展示室ができますので、まず整備されてから教育の関係の方々に見ていただいて、そういう社会科見学とか授業での活用がもしできるのなら活用してもらえればとは考えてございます。大内委員
言うのは簡単なんだけど、ちゃんと教育委員会とかに言って、新しい総合体育館もできたことだし、でかい公園もできたことだし、そのきれいなところにあるわけだから、申し訳ないけど、以前あったものとはちょっと見た目も違うし、しっかり小学生とかに積極的に見てもらうということが大切だと思うので、そちらからアピールをして、アピールというか、積極的に動いていただきたいと思います。(2020/9/1中野区議会総務委員会。議事録より)
刑務所跡地とスポーツに関する過去の大内発言については下記参照。
設計施工は桜を見る会と中曽根葬儀の会社
桜を見る会と中曽根葬儀の設営をした株式会社ムラヤマ(参考↓)。https://t.co/AKtx5ssZZK
— 中野非公式通信 (@nakanocitizens) January 14, 2021
2020年11月に平和の森公園内にオープンした中野区平和資料展示室の設計(税込100万円)と施工(税抜895万円)をムラヤマが受注している(画像参照) pic.twitter.com/ZIreRXBBC2
中野平和資料展示室の経緯や写真など。
平和の森公園と中野区立総合体育館について。
旧中野刑務所正門について。