戸田城聖の豊多摩刑務所出獄という小説上の虚構を歴史上の事実として掲示した解説パネルの件で、虚偽の打合せ記録簿が中野区から公開されたので行政不服審査請求を提起 (2023年8月)

中野区平和資料展示室の解説パネル『中野のまちと刑務所』には、豊多摩刑務所(中野刑務所)の主な収監者として戸田城聖(創価学会第2代会長)の名が掲示されている。このパネルを制作する意思決定過程について情報公開請求したところ、カット&ペーストの痕跡がある打合せ記録簿が開示されたので、行政不服審査請求を提起した。2023/08/28記(敬称略)

中野区職員による歴史修正であることは判明していた

小説『人間革命』における虚構を史実であると歴史修正した経緯については、中野区への情報公開請求で、パネル制作を請負った業者に中野区職員が一方的に口出しして戸田城聖の名を載せさせたということが明らかになっていた。

nakanocitizens.hatenablog.jp

上の記事では「区が議事録、打合せ記録簿等の作成を指示していない、つまり、意思決定過程を隠蔽する不作為があった」と書いた。こう書いたからには、議事録、打合せ資料等についての不存在は証明しておくべきなので、次の情報公開請求をした。

 中野区平和資料展示室設計委託の仕様書 5 業務内容 (2) その他 丸数字の3 で「区の指示により、議事録作成、打合せ資料等を併せて作成すること」と言及されている、議事録、打合せ資料等を開示してください。すでに開示されているものは再度開示しないよう願います。無いのなら不存在決定を出してください。(CD での開示を希望しています)
—— 2022/12/17付で情報公開請求

すると、打合せ記録簿が公開された。押印がなく、一見しただけで虚偽とわかるものだった。

201013中野 打ち合わせ記録簿(第3回).pdf

情報公開された虚偽公文書

開示された虚偽公文書は、次の3つのPDFファイル。3つとも発注者・印、受注者・印の欄に押印がなく、すべてに「第1回」と記されているのが直ちにみてとれる。

押印と「第1回」以外の改ざんの証拠は、メタデータについては審査請求書(補足説明書)を、本文については反論書(第2 3)をそれぞれ参照のこと。

審査請求へ

開示請求権に基づき、真正な文書の公開実施を求めて、行政不服審査請求を提起した。

処分庁(中野区企画部企画課平和・人権・男女共同参画係)から弁明書が送られてきた。

  • 中野区→請求人 弁明書 2023/6/21

弁明書によると、押印がないのは失念したからで、メタデータ内のタイムスタンプが新しいのはメタデータ内の個人情報を削除したからとのこと。

注意: 審査請求は審理非公開だから、相手方書面のネット公開は著作権法に触れるおそれがある。そのため、情報公開請求で開示されたものを晒した。区政情報公開決定通知書 2023/8/22

反論書を送った。

  • 請求人→中野区 反論書  2023/8/2

今後の展開

区政情報公開についての審査請求の手続は、審査請求書→弁明書→反論書→中野区情報公開・個人情報審査会諮問と進んだあと、審査会の答申を尊重して審査庁(中野区長)が裁決することになっている。

もうすぐ、審査庁(中野区長)から「中野区情報公開・個人情報審査会に諮問した」という通知が請求人に送られてくるはずだ。この記事に追記し、ツイッターで告知する。

追記: 2023/10/20付けで中野区情報公開・個人情報審査会に諮問したという通知書が届いた。

(く)