【朗報】東京都中野区が文化財保護審議会の公開を決定しました(2024年1月)(開催予定追記)

2024年1月、東京都中野区が、あれほど頑なに傍聴を認めようとしなかった文化財保護審議会の公開を決定しました。教育委員会が中野区文化財保護条例施行規則に同審議会の公開を定める改正案を可決。

同審議会の非公開に関しては、私たちは、旧中野刑務所正門(中野区文化財「旧豊多摩監獄表門」)についての審議が予定されていた2020年1月から、中野区への問い合わせ、情報公開請求、行政不服審査請求を経て提訴。裁判は東京地裁、東京高裁、最高裁まで争って敗訴したのだが、結果として4年越しで傍聴できることが決まった。2024/1/17記

2024/3/11追記: 中野区がホームページで2024年3月19日審議会開催と公開を告知。

2024/6/28追記: 教委会議録ようやく公開。

2024/7/23追記: 中野区例規集(Reiki-Base インターネット版)が改正を反映。

経緯

2020年1月から中野区への問い合わせ、情報公開請求、行政不服審査請求を経て、東京地裁、東京高裁、最高裁まで争った経緯と、区が区議会に裁判の報告をしたさい議員が非公開に疑問を表明してくれた状況は、下記の一連のブログをご参照ください。

問い合わせ、情報公開請求、行政不服審査請求

行政不服審査請求たらい回し

提訴

控訴

上告

2023年10月、区は区議会で同審議会を「一部公開」する方針を表明した。この時は「審議案件は原則非公開、報告案件は原則公開」と謎の説明をしていた。

施行規則改正

2024年1月5日、中野区教育委員会は定例会で「中野区文化財保護条例施行規則の一部を改正する規則」を可決した。

中野区HPより(赤線は加筆)

公布日も1月5日。同日施行。

区役所正面玄関前掲示場。東京都中野区、2024/1/19 1階文書係の許可で押しピンを外し撮影

「審議会の会議は公開」

第1号議案 中野区文化財保護条例施行規則の一部を改正する規則

可決された議案によると、中野区文化財保護審議会の公開が次のように明文で定められた。これまでは公開とも非公開とも書いてなかったのに絶対に傍聴を認めなかった。

第20条6項 審議会の会議は、公開とする。ただし、審議会が必要があると認めるときは、公開しないことができる。

— 改正後の中野区文化財保護条例施行規則

この日の審議では、区民部文化振興・多文化共生推進課作成の資料が教育委員に配布されている。そこには、「原則公開」と記されているのに、可決された条文には原則という留保がない。

(2)会議の公開
 審議会の会議は、原則公開とする。ただし、審議会が必要と認める際には非公開とする。

教育委員会資料 中野区文化財保護条例施行規則の一部改正について

これは、教育委員会における議案審議で、公開のニュアンスが強められたと推測される。但書の前の「原則公開」が「公開」となったので、公開しない場合というのは但書の場合だけになった。つまり、公開しない権限が審議会に移譲され、中野区は今後、公開・非公開に介入できない。

なお、審議会に置く、専門的事項を調査研究するための部会(第21条)についても公開が明文で定められた。

第21条7項 前条[第20条]の規定は、部会の会議について準用する。この場合において、同条中「審議会」とあるのは「部会」と…[略]…読み替えるものとする。

— 改正後の中野区文化財保護条例施行規則

「区民や区議会から要望」

上記資料は「経緯」として、審議会の公開に「区民や区議会から要望」があったことに言及している。

経緯
 審議会については、これまで非公開により運営を行ってきた。一方、近年「開かれた区政運営」の観点から、区の附属機関については傍聴を許可し、会議録を公開する傾向にあり、区民や区議会から審議会についても公開すべきという要望が出されている。
 こうしたことから、審議会の運用について検討を行い、審議会の会議については公開とし、区民等に会議の傍聴を認め、会議録を公表することとする。

教育委員会資料 中野区文化財保護条例施行規則の一部改正について

2024/6/28追記: 教委会議録ようやく公開

文化財保護審議会の公開を決めた2024/1/5中野区教育委員会定例会の会議録は、半年以上経った2024年6月下旬、ようやく公開された。

2024/1/5中野区教育委員会会議録

特に議論もなく「別にいいんじゃね?」みたいな感じであっさり可決されていた。

(2024/6/28追記ここまで)

2024/7/23追記: 中野区例規集(Reiki-Base インターネット版)が改正を反映

中野区は例規集を紙で発行しておらず、(株)ぎょうせいの製品 Reiki-Base の内部データが例規の原本だ。

2024/7/22、中野区文化財保護条例施行規則の2024/1/5改正が、ようやくReiki-Base インターネット版に反映された。おせーよ。

www.city.tokyo-nakano.lg.jp (同じページの2024/7/23インターネットアーカイブ)

次回審議会はいつ?

2024/1/23追記: 3月中下旬、当日傍聴受付

さて、傍聴できることになった文化財保護審議会はいつ開かれるのだろう? 中野区文化振興・多文化共生推進課文化財係にメールで問い合わせた。

「次回の文化財保護審議会は、3月の中下旬に歴史民俗資料館にて開催する予定」、傍聴の手続きは「当日受付とする予定」との回答だった。詳細発表あれば追記する。

3/11追記: 区が3/19審議会開催と公開を告知

2024年3月11日、中野区はホームページで、次回の文化財保護審議会を3月19日(火)14時から中野区立歴史民俗資料館で開催すると告知した。審議会を原則公開とし傍聴できる旨と後日議事録を掲載する旨が明記された。

中野区文化財保護審議会 | 中野区

同日3月11日に区の担当者から送られてきたメールによると、傍聴受付は13:30から、会場出入口付近。冒頭、議決事項があるため会場外で少しお待ちいただくそうだ。

つづきの記事

(中野非公式通信) & (く)

旧中野刑務所正門(旧豊多摩監獄表門)。東京都中野区、2021/11/5撮影