2024年7月7日投開票の都議補選中野区選挙区。立候補表明はこれまで自民と都民ファーストだけだったが、共産元区議が立候補の意向を表明した。前回前々回都議選の得票状況からみて、今回候補者を出さない見通しの公明と立憲の支持者の票が、選挙のカギを握っていると思われる。敬称略。2024/5/12記
選挙は今のところ自共都の構図
都議選中野区選挙区は定数3。現在の議席は立憲と公明。前回2021年都議選で都ファ荒木ちはるも当選したのだが、国政選挙に立候補(落選)して辞職したため欠員になった。その欠員を今回選挙する。
これまで立候補表明していたのは荒木と、2021年都議選で落選したいでい良輔(自民、元中野区議)。5月12日、長沢和彦(共産、元中野区議)がSNSで立候補の意思を明らかにした。
このたび、7月7日投開票でたたかわれる都議会議員補欠選挙(中野区選出)に、日本共産党から立候補することを決意しました。都民・住民不在、財界ファーストの都政を、都民・住民のくらし第一に変え、首都東京から自民党政治を終わらせるたたかいに挑みます。 pic.twitter.com/NjOxgkHpS7
— 長沢和彦 (@kazutigers0421) May 12, 2024
都議選と都議補選の違いがあるし、今後、候補者を公募していた維新など他陣営も参戦してくる可能性があるが、とりあえず現状の自共都の構図を過去の都議選の得票状況からざっと分析してみる。
2021年都議選の得票数から
前回2021年都議選の主要候補得票数は次の通り。
(当)立憲 35,749
(当)都ファ 32,743
(当)公明 24,364
(落)自民 22,527
この時は共産は候補を出さず、立憲を応援した。今回の補選は公明が候補を出してないので、公明が自民を応援すると仮定して、今回の自共都の構図に当てはめると次のようになる。
自(+公) 46,891 > 共(+立) 35,749 > 都 32,743
このように、公明が全面的に自民を応援すれば、自民候補が勝つ可能性がある。ただし都議選中野区の公明の得票は、中野区議選での公明候補の得票合計が1万6000とか1万7000とか(2023年中野区議選の公明候補得票数は計15,963)なのに比べてかなり多いから、ものすごくがんばっていると想像される。自民候補の場合2万4000も公明票が入る保証はない。仮に公明票1万6000とすると下記のようになる。
自(+公) 38,527 > 共(+立) 35,749 > 都 32,743
なお2021年都議選について詳しくは下記記事参照。
2017年都議選の得票数から
前々回2017年は、この回から中野区選挙区の定数が4から3に減ったのと、都ファ大量得票のあおりで自民、共産が議席を失った。主要候補得票数は次の通り。
(当)都ファ 44,104
(当)公明 24,647
(当)民進 23,874
(落)自民 22,535
(落)共産 20,106
2017民進と2021立憲は同じ候補者だ。公明が自民候補を応援、立憲が共産候補を応援すると仮定して、今回の自共都の構図に当てはめると次のようになる。
自(+公) 47,182 > 都 44,104 > 共(+立) 43,980
立憲候補がいれば立憲に投票する人が、入れる人いないじゃんってなった時に、都ファでいいかということになれば都ファが大量得票する可能性はある。しかし勢いがあった2017年の時ほど大量得票をするとは考えにくいので、2021年選挙程度と仮定すると次のようになる。
自(+公) 47,182 > 共(+立) 43,980 > 都 32,743
さらに、上記と同様に自民候補の公明票を1万6000程度と仮定すると次のようになる。
共(+立) 43,980 >自(+公) 38,535 > 都 32,743
立憲候補がいれば立憲に投票する人の多くが今回の補選で共産候補に投票すれば、共産候補が勝つ可能性がある。
(中野非公式通信) & (く)