不動産ブログみたいなタイトルだが、言っとくけど私、JR中野駅周辺にタワマン林立する再開発は嫌だからね。
概要
・JR中野駅周辺再開発で大量のタワーマンションが計画されている。他は分譲か賃貸か不明だが、先行する中野二丁目(南東側)の再開発では、既に入居開始分も含め計600戸の賃貸マンションが供給される。
・中野駅周辺で計画されている大量の再開発マンションの戸数を把握している分だけまとめた。2020/6/28記
中野二丁目("中野駅南口地区")再開発
「賃貸住宅」
東京都中野区のJR中野駅南東側にあった、築67年の東京都住宅供給公社中野駅前住宅は、再開発のため2019年12月に解体された。
跡地に37階建タワーマンションと20階建オフィスビルが予定されている。2020年3月着工された。(住友不動産のプレスリリース )
2020年6月、久々に明るい時間に千光前通り沿いの建設現場を通りかかり、何枚か写真を撮った。まだ基礎工事中のようだ。あとで見たら意外な文字が写っていた。


「賃貸住宅」?
デベロッパーがタワマン売って現金つかんでさようなら、っていうよくある再開発モデルを思い浮かべてたから、分譲だとばかり思ってた。
中野区の報告
とはいえ、賃貸の件は実は私が知らなかっただけで、中野区は既に2019年11月に区議会に報告していた。
こちらは全て賃貸になります
(石橋まちづくり推進部中野駅周辺地区担当課長)
この時は工期後ろ倒しや戸数を減らしたりする変更が報告されており、それには気づいたんだが、1-2カ月後に公表される議事録のチェックを忘れていて、賃貸になったのは知らなかった。
2019/11/6中野区議会建設委員会資料「中野駅南口地区まちづくりについて」
https://kugikai-nakano.jp/shiryou/19111110248.pdf
この報告によると、工期は2019年10月-2022年12月だったのが2020年3月-2024年2月に変更。37階建タワマンの戸数は438戸から397戸へ変更された。すぐ南側でやはり賃貸のコーシャハイム中野フロント14階建203戸が先に完成し2019年に入居開始しており、これと合わせると賃貸600戸になる。
大量供給
中野駅周辺では当面この中野二丁目(南東部)に加え、中野三丁目(南西部)と中野四丁目(中野サンプラザ含む北西部)で大規模な再開発が計画されており、大量のタワマンが供給されることになっている。その中でこの中野二丁目再開発は先行しているのだが、そこの再開発タワマンが全戸賃貸ということだ。
後からできる大量の再開発マンションは分譲と賃貸どちらだろう。分譲マンションであっても、自分が住むんではなく人に貸すために購入する資産運用派が、特に都内の中央線駅前再開発タワマンみたいな、比較的便利な場所の物件には多いと思われる。しかし後発の再開発タワマンが分譲される時点で、中野駅周辺の賃貸需要は南東側の、コーシャハイムを含む賃貸600戸分にかなり吸収されてるんじゃないかなと思うけどどうなのか。
この中野二丁目再開発タワマンについては、中野駅前なので資産価値が期待できるからと分譲を期待していた慌て者が、検索すると散見される。住友不動産が2019年11月(新型コロナウイルス感染拡大以前かつ五輪延期以前)の時点で、そういう比較的優良物件を「全て賃貸」にした収益性の判断は興味深い。
その後の中野二丁目再開発の建設状況
中野駅周辺に林立予定の再開発マンション
タワマン林立が予想される中野駅周辺の再開発で、中野区は昼間人口2万人増、夜間人口1万人増を見込んでいる(2019/10/7中野区議会建設委員会の区側答弁)。
中野駅周辺で計画されている、あるいは想定されている主な再開発マンションとその戸数は、今のところだいたい下記のような感じだ。
① 2024年2月完成予定「中野駅南口地区」(中野二丁目、中野駅南東側)-このブログで取り上げた賃貸タワマン397戸(南側隣接地に賃貸203戸が既に完成)。
https://kugikai-nakano.jp/shiryou/19111110248.pdf
② 2024年度完成見通し「囲町東地区」(中野四丁目、中野駅北西側)-約720戸。
https://kugikai-nakano.jp/shiryou/20617111038.pdf
③供用開始目標2026年度「中野四丁目西地区」(現在の区役所の北側)-約900戸のタワマン。
https://kugikai-nakano.jp/shiryou/191010213933.pdf
https://skyskysky.net/construction/202528.html
④ 2028年度完成見通し「中野駅新北口駅前エリア」(中野駅北北西側、中野四丁目の中野サンプラザと区役所の解体と再開発含む)の超高層ビル-マンションはおそらく数百戸程度。現在デベロッパー選定中。
https://kugikai-nakano.jp/shiryou/191220171510.pdf
https://twitter.com/nakanocitizens/status/1185584760560578561
⑤ 事業期間2029年度まで「中野駅西口地区」(中野三丁目、中野駅南西側。UR都市機構に売却した桃丘小学校跡地など)。100-200戸程度。最近、事業期間が5年延長された。
https://kugikai-nakano.jp/shiryou/2061784613.pdf
⑥ 建設時期未確認「中野四季の都市(まち)北東エリア」(四丁目西地区の西)高さ165メートルのタワマン。戸数未確認。
https://twitter.com/i_junko/status/1186644696996761601
⑦「中野駅南口地区」(中野二丁目再開発区域のさらに南側ファミリーロード沿い)。この地区も再開発が目論まれているようで、最近議会に地権者アンケートの結果が報告された。
https://kugikai-nakano.jp/shiryou/20318101749.pdf
( 中野区ホームページ「中野駅周辺まちづくりパンフレット」のキャプチャに加筆)
学校不足
人口が増えれば子どもの数も増えるはずだ。ところが中野区は再開発を進める一方で区立小中学校の統廃合を進めている。中野駅南側では2008年に桃丘小学校、桃園第三小学校、仲町小学校を統合して桃花小学校とし、北側では2011年に野方小学校と沼袋小学校を統合して平和の森小学校とした。
桃花小学校と平和の森小学校はいずれも現在でも既に児童数が多く教室が足りなくなっており、敷地内に仮校舎が建設されているまたはこれから建設される。さらに、移転が遅れている平和の森小学校は隣接地を仮校庭として使っている。
現在の中野駅周辺大再開発に学校の増設は含まれていない。住宅を含む大規模再開発は、学校インフラが当然セットかと思ってたが、最近は違うのだろうか。
追記: 中野サンプラザ跡地タワマンは分譲と賃貸
2021年5月、中野駅北側の中野サンプラザを解体したあとの跡地タワマンは、分譲と賃貸で2500人規模が想定されている、という知見が得られたので下記記事に書いた。
中野サンプラザ再開発のまとめとブログ記事は下記参照。⬇️
区役所と中野サンプラザに関する玉突き再開発についてはこちら。⬇️
平和の森小学校仮校庭のいきさつはこちら。⬇️
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