平和の森公園第2工区再オープン
2020年4月1日、中野区立平和の森公園(東京都中野区新井三丁目)第2工区は、ようやく再オープンしました。2018年11月15日着工のあと11月26日に閉鎖されて以来、約1年4カ月ぶり。
平和の森公園は、住民の憩いの場所であり、災害時の広域避難場所でもあることから、中野区で2018年と2019年の2度の選挙の争点となりました。結果、区民は区長を交代させ区議会の構成を変えましたが、その甲斐もなく、スポーツ公園化の工事はほぼ当初計画のまま行われました。300メートル陸上トラックやBBQ場が予定通り作られ、草地広場は守られませんでした。2020/4/4記
2018年11月26日。第2工区閉鎖の時の写真。知人撮影。金網に目隠しをする作業員(左)と、工事用白フェンスの施錠されたドアを開けようとする人(右)。


2020年4月1日朝。再オープン時の写真。3月6日完工、3月中旬に工事用白フェンスと金網撤去、そのあと柵代わりに設置されたコーンバーに午前9時開園のお知らせ(左)。午前9時になりコーンバーを片付ける中野区職員(右、画面中央)。立入禁止の赤ネットだらけですが、これで開園しています。


工事BEFORE & AFTER
工事の前と後の、だいたい同じ場所の写真を比較のためUPします。
草地広場
【BEFORE】 2019年3月10日。樹木伐採と全面掘り返しが始まる直前の草地広場。
【AFTER】1年後の2020年3月25日。300メートルトラックと100メートル走路(画面奥)を作る工事の支障となるツツジやケヤキなど1万2000本の木が伐採されました。草地広場は全面が掘り返され、地下下水道処理施設の荷重制限をクリアするため1億円分もの大量の発泡スチロールを埋めて整地する、珍しい工事が行われました。
草地広場北側から撮影
【BEFORE】2018年11月15日。着工日。実際にはまだ工事始まらず。
【AFTER】2020年3月25日。工事は終わりましたが、草地広場だった部分は「草地養生のため」として立入禁止のまま。ツツジの名所でしたがほぼ全て刈り取られ、跡地の一部に小さいツツジが密植されました。大きくなったら間引くのでしょうか。
画面奥の東京都下水道局中野水再生センターの建物沿いと、画面左奥の境界沿いにあった木も、草地広場南東角のケヤキ(BEFORE写真の親子連れの左上)を始め、ほとんど切られました。
草地広場西側から撮影
【BEFORE】 2018年12月8日。風の吹き渡る草地でした。
【AFTER】2020年3月25日。樹木が排除され、発泡スチロールを一面に埋め真っ平らに整地された上に、べったりと人工的なゴムチップの走路が敷かれました。
草地広場南側から撮影
【BEFORE】 2019年3月10日。皆がくつろいだりおしゃべりをしたあずまや。この奥にも、もう1つあずまやがありました。
【AFTER】2020年3月25日。2つのあずまや、樹木、時計塔は撤去されました。あとには公式競技に使えない中途半端な300メートル陸上トラックと、100メートル走路。夏は暑そうです。
草地広場南西側から撮影
【BEFORE】 2018年12月8日。ツツジの茂みの間から白黒の猫が見ていました。中高木には伐採対象であることを示す赤いテープが巻かれていました。
【AFTER】2020年4月1日。変わり果てた姿ですが、右の建物の角度でだいたい同じ場所と分かります。
ところで、「工事後」の各写真で元草地広場の東側を塞いでいるバカでかい建造物は、建設中の中野区立総合体育館です。
酒井区長は「300メートルトラックを作らない」選挙公約撤回の理由として、オリパラ卓球練習場となる体育館の建設への影響を避けたいからとしていました。
ところが体育館の建設は遅延。完成予定は2019年12月31日➡️2020年3月12日➡️5月29日とずれにずれ、上の写真は竣工予定2カ月前で予定通りに終わるのかどうか知りませんが、挙句の果てに五輪は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2021年夏へと1年間延期されました。
結局のところ平和の森公園は全く不必要に破壊されたわけです。
草地広場南東側から撮影
【BEFORE】2018年11月14日。
【AFTER】2020年3月25日。
築山(草地広場北西角)
【BEFORE】 2019年3月10日。草地広場北西角にあったなだらかな築山は、小さい子の遊び場でした。
【AFTER】2020年3月25日。築山は撤去され、中に発泡スチロールを入れ高く盛り直し、コンクリート滑り台に。
このコンクリ滑り台は1度失敗、施工業者を換えて作り直されています。
BBQ場
【BEFORE】 2019年3月10日。
【AFTER】2020年3月19日。中野区は公園の隅に、ブロック舗装約3メートル四方5区画プラス「手洗い場」を作り、バーベキューサイトと称しています。民家に近く迷惑が予想されるため「無煙ロースター」を使用するとのことです。なぜそこまでしてやる。
未開園区域(じゃぶじゃぶ池)
【BEFORE】 2016年、中野区が平和の森公園未開園区域に作るとして区民に示したじゃぶじゃぶ池(子どもの水遊び場)エリアの完成予想図。
【AFTER】 2020年4月7日。完成したじゃぶじゃぶ池エリア。イラストと違って緑が少ないです。知人撮影。
再オープン前後のツイートまとめ。じゃぶじゃぶ池への反応も。
第2工区の児童遊具についてはこちら。
伐採木再利用?
そういえば伐採された大量の木は、一部がウッドチップ舗装として再利用されるという話でした。これがそうですかね? (2020年4月1日撮影)
看板
園内図。右側の多目的運動広場がある部分は、2018年秋までに工事が行われた第1工区です。左側が第2工区。下の飛び地部分は、2020年4月現在は体育館工事の作業ヤードとして使われています。
「利用ルール」。草地広場の英訳 Grassy Meadow (草の生えた牧草地)ってなってますが、BBQ場の食材用の動物でも飼うのでしょうか。
エイプリルフール
平和の森公園再オープンは4月1日でしたので、知人が エイプリルフールのポスターを作ってくれました。
本日2020/04/01、東京都中野区立平和の森公園第2工区(旧草地広場部分)が再開園、記念に3種のポスターがリリースされました。どなたでも印刷、再配布、改変が可能です#エイプリルフール (知人作品) pic.twitter.com/6PCqkr4aVn
— 中野非公式 (@nakanocitizens) March 31, 2020
新作。
2019年3月10日
平和の森公園第2工区は2018年11月15日着工のあと、4カ月近くは南側トイレの改修以外あまり作業していませんでした。2019年3月10日、工事フェンスのドアが開いていました。その時の写真は下のブログに貼りました。この日から数日後、300メートル陸上トラックを作る整地のため、1万2000本の樹木伐採と草地広場への1億円分の発泡スチロール埋設が始まりました。
経緯や資料など
2018年11月15日の第2工区着工以来の工事写真。
第2工区着工以来の工事経過。
平和の森公園と中野区立総合体育館の記事やまとめ、情報公開文書など。
続きの記事(2020年6月、平和の森公園指定管理に)
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