中野区立総合体育館。竣工したけど工事は続く(2020年8月)

概要

工期延長を繰り返した中野区立総合体育館は、2020年7月31日ようやく"竣工" したが工事は続いている。2020/8/2記

 

"竣工" 前後の状況

中野区立平和の森公園(東京都中野区新井)内に建設中の中野区立総合体育館は、3度にわたり延長された工期の竣工日を2020年7月31日に迎えた。その前後の状況はこんなふうだった。

 

2020/7/29
建設現場の看板に、竣工するはずの7月31日の後の8月2日まで「外構工事 内装工事」と工事予定が記載された。あれ? 竣工日までに工事終わらないの? 隣の掲示労災保険の期間は8月31日までとなってる。

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2020/7/29中野区立総合体育館建設現場

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7/30
中野区議会厚生委員会で中野区の古本スポーツ振興課長が「建物の竣工は7月31日」と報告した。現場に8月2日まで工事と書いてあるけど、報告は間違いではないのかな? 担当部署に問い合わせてみた。
担当職員は、業者に照会ののち「契約上の工期は7月31日まで。完了検査を順次行っており、工事でついた傷や検査不合格などの手直し作業などを含め、工事と表示している。契約上、検査後手直しを一定期間できる」と回答した。
竣工って工事終わりの意味じゃないのだろうか。

 

7/31("竣工"日)
工期最終日。外から見える範囲ではエントランス付近や植栽などの工事をしていた。

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2020/7/31中野区立総合体育館建設現場(知人撮影)

 

8/1("竣工"翌日)
8月2日まで「外構工事 内装工事」となってた掲示が、この日、8月2日(日)は「全休」、8月7日までの予定は「各種検査 手直し工事」と書き換えられた。うける。

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2020/8/1中野区立総合体育館建設現場

エントランス周辺など工事してるように見えたけど、検査や手直しなんでしょうね、きっと。

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2020/8/1中野区立総合体育館建設現場

 

"竣工前"

ところで、平和の森公園のじゃぶじゃぶ池傍らのパーゴラ(あずまや)に注目。2020年8月になってもコーンとバーで厳重に囲まれ「この休憩施設は竣工前のためご利用できません」との掲示がある。

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2020/8/1中野区立平和の森公園

じゃぶじゃぶ池エリアを含む平和の森公園第2工区は既に3月に竣工し、4月に再開園している。なのに「竣工前」とは?
はい、実は中野区立総合体育館の新築工事は、隣接地と地下にある東京都下水道処理施設の「増築」ということで建築確認が下りている。そして平和の森公園じゃぶじゃぶ池傍らのパーゴラの設置は、下水道処理施設増築としての体育館工事の一部となんだよね。だから体育館が竣工して完了検査が終わるまで使えない。詳細は下記まとめ参照。⬇️


で、そのパーゴラには8月になっても「竣工前」って書いてあるわけ。さて体育館は竣工したのしないのどっち?

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2020/8/1中野区立平和の森公園と中野区立総合体育館

 

施設名看板

2020年2月4日、中野区は区議会厚生委員会で中野区立総合体育館のネーミングライツ企業に株式会社ブシロードが内定したと報告。(資料「中野区立総合体育館のネーミングライツパートナーの選定について」)
6月11日、ブシロードが辞退したため第2順位のキリンビバレッジ株式会社と交渉していると同委員会に報告があった。
翌6月12日、「中野区立総合体育館」の切り文字看板が設置されたのが確認された。



7月27日、切り文字看板の不具合を直しているらしい作業。

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2020/7/27中野区立総合体育館建設現場

 7月29日、綺麗になった看板。

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2020/7/29中野区立総合体育館建設現場

しかし、せっかく設置したけど、7月30日区議会厚生委員会での区の説明によると、ネーミングライツの契約ができたらすぐ掛け替えるつもりのようだ。設計通りに作らないと完了検査に通らないから、何か看板をかけておく必要があるらしい。

中野区立総合体育館ネーミングライツ詳細は下記まとめ参照。

 

今後の予定

7/30厚生委員会で報告された予定は次の通り。

2020/7/31 ”竣工”
8月中旬 区に引渡し
9/20(日)10:00記念式典(100人規模。コロナ前は500人規模を想定していた)
9/20-21内覧会
9/22-30無料開放
10/1(木)一般供用開始

コロナの終息が見えない中で100人規模のイベントを行うのはどうかと公明党の南区議が尋ねたが、区は「その時点で判断する」と答弁した。自民党若林区議は「300mトラックやBBQ場も合わせ中野区のスポーツ拠点となる大切な施設」だの「体育館開館イベント告知は区報1面にドーンと出せ」だのと、ひとりではしゃいでいた。

 

中野区ホームページの中野区立総合体育館についてのページ。

 

"竣工" までの経緯

【2018年1月】着工。施工業者はフジタ ・ 協永・明成・日本設計特定建設共同企業体。当初の完成予定は2019年12月27日。契約金額89億6517万7200円。資料

【2018/7/13】1度目の契約金額増額議決。91億14万2200円に。資料。「労務単価等の上昇に伴い契約金額が不適当となったため」

【2018/12/6】中野区立総合体育館が2020年東京五輪パラリンピックの卓球公式練習場になると区議会厚生委員会に報告。

【2019/1/24】区議会厚生委員会で工事契約変更案を報告。建設地から出た多量のれんがやがれき、基準値を超える六価クロム、および湧き続ける地下水の処理のため、
(1) 竣工を従来の2019年12月27日から2020年3月12日に遅らせる(1度目の工期延長)。
(2) 工事の契約額を約91億円から約4億円増額し約95億円に。
詳細は下記。⬇️⬇️

【2019/3/15】2度目の契約金額増額議決。95億1085万5400円に。資料。「設計変更に伴い、工事請負契約約款第18条に基づき、契約金額を変更する必要がある」

【2019/8/30】酒井区長が説明会で、公約だった平和の森公園工事見直しを断念した理由を「(オリパラ卓球公式練習場となる予定の)体育館工事への影響は避けなければならない」ためと釈明。

【2019/10/7】2度目の工期延長。2020年3月12日から5月29日に遅らせると区議会厚生委員会に報告。地下障害物撤去と外壁材調達困難による設計変更のため。資料

【2020/2/19】3度目の契約金額増額議決。96億7144万4400円に。資料。「設計変更に伴い工事請負契約約款第18条に基づき、契約金額を変更する必要がある」同体育館のスポーツ用品購入も可決。4367万円分。

【2020/3/24】2020年東京五輪パラリンピックの1年延期が発表された。

【2020/4/1】平和の森公園第2工区再オープン。

【2020/4/9】6月20日に予定されていた開所式延期。

【2020/5/14】3度目の工期延長を区議会厚生員会に報告。5月29日から7月31日に。資料新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、受注事業者より作業員数縮小と工事一時中止の申し入れがあったためという。

【2020/6/1】中野区立総合体育館と平和の森公園が民間業者の指定管理に。

指定管理者のホームページ。

【2020/7/24】五輪開会が予定されていた日

【2020/7/31】"竣工"

 

中野区立総合体育館建設中の写真をまとめたモーメントその1その2。

https://twitter.com/i/events/1089877803112120320

https://twitter.com/i/events/1232188545961357312

 

背景1 (中野サンプラザ解体との関係)

中野区立総合体育館の建設は、2024年ごろからとされる中野サンプラザ解体と跡地再開発に至る、中野区の多重玉突き再開発計画の、(例えが突然ビリヤードから将棋になるが)最初の駒である。詳細は下記ブログ参照。

中野区立総合体育館は中野区立中野体育館(中野四丁目)の移転と位置付けられる。中野区立総合体育館の完成を前提に、中野体育館は2020年9月末閉館、12月ごろから解体されることになっている。

 

中野体育館解体と跡地への中野区役所新庁舎の実施設計/施工は、2020年3月に竹中・協永・明成・武蔵野・INA特定建設共同企業体と213億4512万4200円で契約済み。工期2024年2月29日。

オリパラが延期になり新型コロナで区財政が逼迫しつつあるが、それでも中野体育館解体や新庁舎建設のスケジュールを中野区は見直さないとしている。

 

2018年中野区長選の争点になった中野サンプラザ解体は、跡地を民間デベロッパーに売って、200億円を超える新区役所建設費用のタネ銭を稼ぐのが目的だ。
選挙で区長を替えたのにもかかわらず、中野区が区民や専門家や区議会議員の異論を一切検討せず、中野サンプラザ解体/再開発計画がほぼ田中前区長の案そのままに決着したのはご存知の通り。中野区は2020年夏現在、中野サンプラザ跡地再開発の民間デベロッパーを選定中である。説明してて空しい。


中野体育館のホームページ。(閉館後に指定管理者が削除すると思うので、インターネットアーカイブを貼る)

中野体育館建設の様子を記録した中野区の1969年の動画。

 

背景2 (平和の森公園再整備との関係)

下のブログにも書いたが、中野体育館はもともと、中野区が小中学校学校再編によってあけた、中野区立第九中学校(統合により廃校、中野一丁目)跡地に移転する予定だった。

ところが2015年に田中前区長が突然、中野体育館を平和の森公園内へ移転し平和の森公園をスポーツ公園化する計画を発表した。地元住民は、広域避難場所の平和の森公園に巨大な体育館ができることで、災害時に火災旋風が起きる懸念を訴えたが、一蹴された。下記リンク先参照。

 

平和の森公園をスポーツ公園化する"再整備" も区長選および2019年の中野区議選の争点だったが、これも結局田中の案のまま実行されたのはご案内の通り。

 

(中野非公式通信)


中野区立総合体育館と平和の森公園関連のまとめやブログ記事、写真、情報開示文書など。

 

 

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