2021年7月4日の東京都議会議員選挙は、中野区では事前の情勢と当日の出口調査は主要4候補のうち公明現職が落ちそうな感じだったが、実際は僅差で自民新人が落ちた。2021/7/5 (敬称略)
選挙結果
定数3の中野区選挙区には立憲民主党、都民ファーストの会、公明党の現職に自民党新人の主要4候補および無所属の計5人が立候補し、現職3人が当選した。選管最終の開票結果 (23:06確定) は次の通り。
当 立憲 西沢けいた 35,749
当 都ファ 荒木ちはる 32,743
当 公明 高倉良生 24,364
落 自民 いでい良輔 22,527
落 無所属 沢口ゆうじ 3,826
前回と比較
前々回までは定数4で参考にならないので前回 (2017年) とだけ比べる。
中野区選挙区の投票率は2017年の50.72%から2021年は43.56%に7.16ポイント下がった。各候補の得票数の合計は13万6384から11万9209に1万7175減った。
立憲の西沢は前回得票から1万1875票伸ばしトップ当選した。しかし今回、共産は候補を立てず西沢を応援したのだが、今回の西沢の得票は前回西沢得票に前回共産浦野さとみの得票を足した4万3980と比べ8231票少ない。
都ファ代表で小池百合子都知事元秘書の荒木は一時苦戦が伝えられ、前回の大量得票から1万1361票減らしたものの、結果は2位当選で面目を保った。
公明高倉は前回から283票減で最下位当選に滑り込んだ。
自民いでいは前回の川井しげおの得票から8票減で、川井と同じ次点に終った。
まとめると公明と自民の得票は前回から減ったもののそれほど変わらなかった。いでいは当選のためには前回と比べ数千票単位の積み増しをしなければならなかったができなかった。都ファは票を大きく減らしたが前回取り過ぎたのでこれくらい取れれば上等だったのではないか。立憲は大幅に得票を増やしたが、前回の立憲+共産得票数に比べ少ない。
荒木票の減少分に、今回の西沢票と前回西沢浦野票合計との差を足すと1万9592になる。各候補得票数合計の前回からの減少1万7175は、前回荒木か浦野に投票して今回棄権した人が相当数含まれていると推測される。
事前の情勢と出口調査
毎日新聞は6月29日、インターネット調査と取材をもとに中野区について1西沢2いでい3荒木4高倉との趣旨の情勢を伝えた。
都議選・中野区の情勢報道です。上位3人が当選する選挙区です。 pic.twitter.com/OlnRmSRaNC
— 三春充希(はる)⭐2021衆院選情報部 (@miraisyakai) June 30, 2021
また投票終了直後にNHKが流した出口調査は、1西沢2荒木3いでい4高倉となっていた (画像参照) 。
結果は西沢トップ当選、荒木も当選した。
実際と違ったのがいでいと高倉で、高倉は最下位ながら当選し、いでいは落選した。まるで、実際には高倉に投票する/した人たちが、調査に対しては「いでいに投票する/した」と答えたかのような印象を受けないでもない。
公明は区議選より得票数が多い
下記ブログの中野区議選の党派別得票数のグラフを見てほしいんだが、中野区議選の公明党の得票は合わせて1万6000とか1万7000とかそんなものである。
高倉がどうして毎回2万4000票超とか得票して当選できているのか、私はかねてから不思議に思っている。
今回の都議選で公明党は複数の候補を落とすのではないかという予測もあり、高倉も落選の可能性がある中に含まれていたが、結果は今回も全員当選だった。おそるべし。
マイク納めの状況
中野区内で選挙の街宣の一等地は中野駅北口広場だ。詳しく説明したくないが、2019年の中野区議選では中野駅北口広場をめぐる熾烈なマイク納め場所の争奪戦があった。北口の次にいいのは南口だ。
今回の都議選、選挙戦最終日の7月3日に中野駅北口広場でマイク納めをしたのは公明党で、山口那津男代表が応援弁士に入る力の入れようだった。
#都議選
— 政治アナリスト❤️政局ウォッチNOW❤️チャオ❤️都議選議席予測2021 (@Chijisen) July 3, 2021
激戦の中野区選挙区NOW❤️
ラストは山口なつお代表NOW❤️
中野駅北口🚉人❣️人❣️人❣️#公明党 #政局ウォッチNOW pic.twitter.com/cKaYL6OIBb
都ファのマイク納めは中野駅南口。少し前まで病気療養中だった小池知事が、3日午前中に中野駅南口の荒木の選挙事務所 (党選対本部兼) に激励に訪れたうえ、マイク納め (のあと?) にも駆けつけたそうだ。
最終日20時を迎えマイク納めとなりましたが、再び小池知事が中野に激励に訪れ、多くのメディアの方にもお集まりをいただきました。「最後までよく頑張ったね」という小池知事からの言葉を胸に、23時59分まで中野駅南口にて、お帰りの皆様にご挨拶をさせていただいております。#荒木ちはる #都議選 pic.twitter.com/USp96MLLw3
— 荒木ちはる 東京都議会議員(中野区)都民ファーストの会代表 (@araki_chiharu) July 3, 2021
立憲のマイク納めは東中野駅で応援弁士は地元の長妻昭衆議院議員と酒井直人中野区長ら。
続いて長妻昭衆議院議員より。「五輪、一体いつやると決まったのか。都民は意見を聞かれてもいない。でも、このタイミングで都議選がある。当選したら知事にモノを言える議員のリーダーになる西沢けいたをご支援頂いて、私達の声を都政に届けましょう。」#西沢けいた #立憲民主党 #都議選2021 #中野区 pic.twitter.com/nJanMtbK8L
— 西沢けいた(立憲民主党 都議会議員 中野区選出) (@nishizawakeita) July 3, 2021
自民党は夕方中野駅北口で小泉進次郎を応援弁士に街宣したようだが、マイク納めは中野坂上で弁士は地元の松本文明衆議院議員だった。マイク納めを見る限りでは、公明党の力の入れように対し自民党は通常対応という感じがしないでもない。
中野坂上から、いでい良輔都議会議員候補の最後の街頭演説が終わりました。明日の投票日の投票箱が閉まるまで、いでい良輔都議会議員候補にご支援いただけるように、お知り合いの方たちにお声かけ下さい。心よりお願い申し上げます。 pic.twitter.com/GlGH2lJOW8
— 松本 文明 (@Matsumoto_2300) July 3, 2021
今回、中野区の左派にとっては西沢以外の選択肢がなく自公都ファのうち1人しか落とせないため、個人的には正直あまり盛り上がってなかった。しかし蓋を開けてみたらなかなか仁義なき選挙戦という感じで興味深かった。
追記: 各党の都議選総括
候補擁立しなかった共産党。
【2021年 中野における東京都議会議員選挙の結果について】 pic.twitter.com/KsbO4yV6tj
— 浦野さとみ・中野区議会議員(日本共産党) (@urano_satomi) July 6, 2021
公明党。
「勝者なき都議選」なんて言わせない❣️
— 甲田ゆり子 中野区議会議員 (@KoudaYuriko) July 6, 2021
(都議選)公明、8回連続全員当選/10選挙区でトップ/山口代表 #公明新聞電子版 2021年07月06日付 https://t.co/zAaEEYqQwu pic.twitter.com/pYtHM13aNC