【プロポーザル方式】サンプラザを壊した跡地にビルを建てる業者を選ぶ中野区のプロポーザル方式は、実施要領が10年前から「試行中」で公開されてません

中野区はサンプラザを壊して、JR中野駅前の今サンプラザがある場所をこんなふうにしようとしています。高層の商業ビル(コンサートホールは無し)と、アリーナ(観客席つき体育館)。

 

[2018/10/28記]酒井中野区長が2018/9/18に「サンプラザを壊す」と発表した会見のQ&Aで、区民の財産である区有地の区役所・サンプラザ跡地を買ってビル(とアリーナ)を建てる開発業者は「プロポーザルという形で募集」すると言ってました。

 

プロポーザル方式とは?

渋谷区プロポーザル方式実施要綱

第1条 この要綱は、渋谷区(以下「区」という。)が発注する工事(設計、測量及び地質調査を含む)、委託及び製造の請負に係る契約のうち、価格のみによる競争では所期の目的を達成することができないものについて、複数の事業者に提案を求め、実績、専門性、技術力、創造性等を勘案し、総合的な見地から判断して最適な事業者を選定する方式(以下「プロポーザル方式」という。)を実施するに当たり、必要な事項を定めるものとする。

自治体などの公共機関が、事業を受注したい業者に詳細を提案させて、価格だけじゃなく「総合的に」 判断して業者を選定するってこと。

 

この件は、 @galbraithian999 さんから「中野区は実施要項あるんでしょうかね?」と話題を振られて調べました。

 

探したんですが、10年前の「中野区企画提案公募型事業者選定について」(2008/12/3)という文書が区議会のサイトにある以外は見つからない。 
(この「企画提案(公募)型」がプロポーザル型のことみたいです。企画提案型/企画提案公募型って言えば、まだ分かりやすいかも。例によってカタカナ多い )

中野区が区議会に提出したこの文書中に「中野区企画提案公募型事業者選定試行実施要領案」を作る、ってあるんですが……。作ったの?

 

昨年(2017)9/19の中野区議会決算特別委員会。議事録をみると、2008年度に「中野区企画提案公募型事業者選定試行実施要領を定めました」と平山英明区議(公明)が発言しているから、試行実施要領は作られたみたいです。

 

ところがこの委員会での区の答弁によると、中野区は「試行実施要領」を2008年度に作って、「現在も試行状況」なんだそうです。

まず結論から申し上げますと、現在も試行状況というところでございます。対象とする委託契約の内容が年々多様化する中、案件に応じまして評価項目や評価点割合など評価の基準を設定するなど、運用レベルの改良を重ねながら最適な仕組みを模索してまいりました。そうした意味で、現在も試行という状況を継続しているという認識でございます。

石橋経営室副参事(経理担当)

えっ! 10年も試行してるの? 長くない?

 

でね、やり取りをみると「要領なので公開はされていません」ってなってる。
ええええええ
どうりで中野区のプロポーザル型実施要綱、探しても見つからないはず。


正式な「要綱」ではなく「要領」にした理由を聞かれて区はこう答えている。「要領」は、区によると「行政内部」の「マニュアル的」なものだそうだ。

要領の定義でございますが、中野区におきましては、区の事務の処理方法に関し、条例、規則または訓令の形式で定めるべき事項以外の事項について、その処理権限を持つ者が定める行政内部の指針、処理基準であると定義してございます。今回の要領でございますが、主に具体的な事務手続を取りまとめたマニュアル的な性格が強いことから、要領として作成したものでございます

石橋経営室副参事(経理担当)

中野区のプロポーザル方式実施要綱、内容はともかくとして、いくらなんでも何かあるだろうと思ったら、そんなものはないんです。
ええええええええ

 

で、唯一見ることができる、10年前に区が区議会に提出した「中野区企画提案公募型事業者選定について」は。

はい、とっても心配です。

 

なお前述の区議会議事録によると、選定委員会は企画提案公募型の場合は2種類作られる。

中野区評価選定委員会と事業所管設置の選定委員会の2種類の関与がございます。まず、中野区評価選定委員会でございますが、公募の適否の審査、あるいは、事業所管評価結果に基づく選定候補事業者を決定する役割を担ってございます。構成につきましては、経営室長を委員長といたしまして、指定された6名の統括管理者で構成してございます。一方、事業所管設置の選定委員会でございますが、参加の事業者から提出された提案書及びヒアリング等の審査を行う役割を担ってございます。構成でございますが、事業所管部長が指定する当該案件に関連する分野の統括管理者等で構成してございます。

石橋経営室副参事(経理担当)

それ以外の場合は選定委員会は1つだけ。「中野区評価選定委員会の関与はございません。事業分析の選定委員会のみで決定されてございます。構成は、事業所管部長が指定する当該案件に関連する分野の統括管理者等で構成しているものが多い」だそうです。

……つまりどっちにしろほぼ区役所職員ってことだね?

 

ちなみ東中野小を潰して跡地にマンションを作る業者を募集した時の「企画提案公募型事業者募集要領」はこれ (2018/10/28現在中野区HPで見れるけど、一応インターネットアーカイブのリンクを貼った)。
P18 公募スケジュールの項を見ると書類審査とプレゼンテーションのあとすぐに「交渉権者及び次点者の決定」、P30の「契約」と続いて、区議会の関与する余地なし

 

正式なプロポーザル方式実施要綱を作ってない中野区は、非公開の内部マニュアルに基づいて、案件ごとに「実施要領」を作ってやってます。あれ? 東中野小跡地のこの文書も「要領」って名前がついてるけど「内部マニュアル」の位置づけってこと?

 

そもそも、プロポーザル方式自体が「総合評価」で業者を選定するシステムで、ちゃんと運用しないと客観的でない要素が入り込む余地が多いです。公募でやらなきゃいけない事業を、実質的に随意契約できる抜け道になりかねない。

 

酒井区長の2018/9/18の記者会見。

建物についての詳細については今後プロポーザルという形で募集をしますので、それまでの考え方というのは3月に区が出していくものでございます。それから区民会議での意見を踏まえてまあ区として作っていくわけですけれども今区民会議の中に協力事業者さんも入って頂いてます。ただその協力事業者さんてのは今度の実際に作るときに入る人たちとはまた別ということでプロポーザルでまた業者を選定していきますのでその手前の段階で今協力していただいている方々にはご協力をいただくことになっています。

 

「プロポーザル方式」、総合評価で決めるということは、「今協力していただいている」、区役所・サンプラザ再開発事業を一番よく知っているあの「協力事業者」に決まるんじゃないんですか? ほぼ区職員しかいない選定委員会が、私たちの代表である区議会の議決も必要なしで。

 

2017/2/21中野区議会本会議。ひやま隆区議(立民)一般質問に対して。

 プロポーザル方式 の事業者選定においては、これまで選定委員に外部有識者を参画させた事例はございません

選定委員会に専門家が参加することについては、今のところ必要とは考えておりません

篠原文彦経営室長

 

 

 

 

(参考)酒井区長への批判が相次いだ2018/10/29の「区民会議」

 

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区議会HPにあった「中野区企画提案公募型事業者選定について」は、「中野区入札、契約制度改革基本方針」がもとになってるそうです。
中野区入札、契約制度改革基本方針」(2007/12/20)は、中野区HPで公開されています(2018/10/28現在)。 (念のためこのデータのインターネットアーカイブのリンク)

11年前に作った方針がアップデートされてないようです。

区議会HPには「中野区入札・契約制度改革基本方針に伴う取組みの推進について」という文書(2008/3/12)も。 
これらの、いま区議会HPにしか見つからない文書、当時は区HPでも公開していたんだろうか。インターネットアーカイブも探したんだが分からなかった。

 

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 さて、いま中野区南部の子育て世代が楽しみにしている、建設中の「(仮称)弥生町六丁目公園」。「指定管理者」の選定中だそうだ。

していかんりしゃ【指定管理者】
地方公共団体が設置した公共施設について、管理・運営を委託された者。→指定管理者制度
大辞林 第三版

していかんりしゃせいど【指定管理者制度
地方公共団体が設置した公共施設を、民間企業や団体を指定して管理・運営を委託する制度。利用者の利便性の向上、地方公共団体の負担の削減などを目的として導入された。
大辞林 第三版

 

「選定スケジュール」を見ると、書類審査、プレゼンテーションのあとに「中野区議会による指定管理者の指定(議決)」とある。
こっちは区議会の議決が必要。

(仮称)弥生町六丁目公園「指定管理者募集要項」。
「具体的な企画・事業を提案してください」って書いてある。

 

指定管理者に関しては「中野区指定管理者制度ガイドライン」(2014年作成、2018年改定)があって公開もされており、それに基づいて選定されるようです。
ガイドラインの中の「選定方法」に、選定は「プロポーザル方式とする」と記載。
また、ガイドラインに指定管理者の指定は「区議会の議決を経なければならない」と定められている。

 

 

 

 

 

  

中野区が公園全体の運営を民間にやらせるのは(仮称)弥生町六丁目公園が初と思われる。

  

(上記ツイート中の港区のページのアーカイブ)

 

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 いっぽう、中野区の保育園は民営化が推進され、すでにいくつも指定管理者の管理になってしまいました。

 

現在、中野区が民営化しようとしている区立大和東保育園は、設置運営事業者を募集(7月にあった募集のお知らせはインターネットアーカイブにも残っていません)。

10/20、運営事業者をやりたい業者のプレゼンが公開で区民の前で行われ、下記ツイートのような感じでした。

 

 

 

 

 

  

中野区、この種の区民が傍聴できる公開プレゼンは初だったという話です。

 
公開ならどんな業者か区民にも分かるから、今後は全部公開プレゼンでお願いしたいですね!

 

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もちろんサンプラザも。

 

 

  

 

 

( r )

 

 

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中野サンプラザ(撮影(く))